AMC MCQ 勉強法

こんにちは!Marieです。最近AMC MCQの勉強法について、どのように手をつければよいかわからないという相談をいただくようになりました。AMC MCQを受験しよう!と決意しても、このネットのご時世を持ってしても日本語での情報って本当に少ないんですよね…私はまず情報集めにとても時間がかかったのを覚えています。

そんな中でたどり着いた自分の勉強法を紹介します。少しでも参考になれば幸いです 🙂

注)記事は基本的に自分の経験をもとにしているものです。詳細な内容などに関しては、必ず公式サイトを参考にしていただくようにお願いします。記事は投稿当時の正確な情報を記載するように心がけていますが、この記事を参考にして起きた不利益については一切責任を負いません。

 

AMC MCQの勉強法:概要

試験概要については以前のブログをご覧ください。

AMC MCQは日本の国家試験と形式が似ているので、大まかな勉強方法に関しては国家試験と似た感じになると思います。私は選択式の試験では、問題集やクエスチョンバンク(QB)、過去問とあと何かレファレンスになる参考書を使って勉強するのが好きです。

私が具体的に使った問題集や参考書は以下の3つです。
1. AMC公式のハンドブック ‘AMC Handbook of Multiple Choice Questions’
2. オンラインQB ‘MplusX QBank‘ 
3. USMLE First Aid 2CK (自分は中古で購入した最新版ではない物を使用していました

2019年5月から2020年5月: ハンドブックを2週

自分は2019年5月になんとなくオーストラリア行こうかな〜と思うようになって、これまたなんとなく公式ハンドブックを手に入れました。公式ハンドブックは現在はAMC公式サイトでは購入できませんが、各種オーストラリアのAMC予備校が販売しています。これは日本にいてもオンラインで購入できます。

6月くらいから公式ハンドブック1周目に着手しました。当時自分は医療英語など全くわからなかったので、時には一問に数時間かかるような状態でした。主にリーディング力と単語力をつけることを意識しながら、ひたすら英語の意味を調べつつ公式ハンドブックを1周やりました(ハンドブック最初の模擬試験セクションを除く)。これだけで500問くらいあり、初期研修医をしながら勉強をしていた自分は1周が終わるのに大体半年ちょいかかりました。

1周目が終わったらなんとなく2周目を始めました(これまたハンドブックの最初の模擬試験セクションを除く)。2周目は読む事は慣れてきているので、実際の知識を頭に入れたりしながら解いていました。2周目から参考書としてUSMLE First Aid 2CKを使い始めました。当時MCQ勉強者の間で一般的に使われているオーストラリアの参考書は、John Murtagh’s General Practiceという分厚い本でした。John Murtagh先生はGPの祖とも言われる偉大な先生で、彼のこの本は名前の通りGP向けの実臨床に即した作りになっています。具体的には、「腹痛」「胸痛」などの症候ごとに鑑別疾患が上がっていて、診察のポイント等が記載されているのです。なので実臨床やGPの先生向けにはとても良い本なのですが、「消化器」「循環器」等の括りで勉強したかった私にとってはやや使いづらいなと言うふうに感じました。

その時InstagramAMCの勉強している人を探して、なんとか一人見つけました。その人が投稿していた写真に何やらCardiologyと書かれたページが写っていたので、その人にダイレクトメッセージで「この参考書は何?」と聞いたところ、「USMLE First Aid 2CKよ」と教えてもらえたので、私も真似して使うことにしました。オーストラリアとアメリカでは、医療のシステムなどは大分違うものの、疫学等は違えど、正直習う疾患やその病態などは特に変わりがないので、私個人的にはオーストラリアのAMCの勉強のために、アメリカのUSMLE First Aidを使う事は全く問題がなかったと感じています。もちろんAMCUSMLEは違う試験なので、出題内容はちょっとずつ変わってきます。なので、自分はハンドブックやQBを解きながら、新出事項やポイントをFirst Aidに書き込む形で自作の参考書を作っていました。話がだいぶ逸れましたが、First Aidに色々書き込みながら公式ハンドブックの2週目をやるのに、大体これに3ヶ月ぐらいかかりました。

2021年5月から2021年11月:QBに着手

さて、ハンドブックの2周目が終わった頃に、そろそろ本気で試験の申し込みをするかと決意できたのが、2020年5月のことです。だらだら公式ハンドブックを解いていたわけですが、試験の日程を決めないと勉強のモチベーションも上がらないタチなので、思い切って試験を申し込みました。大体半年あれば間に合うかなと2020年の11月の試験を申し込みました。ハンドブックの内容はだいぶ頭に入っていたので、後は実際の試験に即した問題を行おうと思ってオンラインのQBに手を出すことにしました。当時は、オンラインのQBも色んなQBがどれも並列して並べられていてあまり目立ったものはなく自分にはどんぐりに見えたので、本当にどれがいいのかと定めるのには苦戦しました。他の国のIMGのブログを読んで(といっても数は多くなかったですが)結局MPlusX QBankというのを選択しました。当時は6ヶ月プランで300ドル位でしたが、最近は人気が出てきて値上がりしたようです。

それはさておき、6ヶ月プランを購入しQBを解きまくりました。当時MPlusXは1.0、2.0、3.0、4.0の4つのセクションから成り立っていました。

1.0は問題ではなく誰かがまとめた参考書になっています。First Aidを使っていた自分にとってはこの1.0は全くもって不要でした。また個人的にはFirst Aidの方が分かりやすかったと思います。2.0、3.0、4.0は全部問題になっています。この3セクションの違いは実はどこにも書かれていませんが、自分はMPlusXに直接問い合わせをして何が違うのかをきいたところ、以下のような返事が返ってきました(2020年7月当時の情報:変更されることがあるかもしれないので確認した方が良いかもしれません)。

2.0はMPlusXの会社がオリジナルで作った問題 – なので言い換えると試験の過去問ではないということです。試験の過去問から大事そうだなぁと思ったポイントをMPlusXが勝手に抽出して問題にしているようなので、個人的には優先順位はちょっと低めなのかなと感じました(とはいっても自分は最初全く何も知らなかったので、2.0半分位結局やってしまいましたが)。

3.0は2008年から2018年までのMCQの過去問がメイン – 過去3年間の過去問だけでは不安だと言う人にとっては3.0に取り組むのはおすすめかなと思います。また今から全くゼロの状態から勉強を始めるという人も、3.0から始めると直近の過去問を残して古い過去問を勉強できるので、試験のポイントを押さえやすいと思います。

4.0は2019年から直近までの過去問 – 必須です。

というわけで、自分は2ヶ月くらいかけて最初2.0を半分やってしまった後、上の返事を見て2.0を捨て、3.04.02周ずつやりました。QBを解いている時も、First Aidに書き込むというのは変わりません。

直前の1週間

試験直前の1週間には、実際の試験会場に下見に行ったりこれまで作ってきたノートを眺めたりすることに時間を費やしました。また、最後に公式ハンドブックの最初にある模擬試験を2周さっとやって色々確認しました。また、AMCの公式サイトに実際のコンピューターの画面を見せながら形式やコンピューターの操作に慣れることができるみに模試があったので、それをやりました。この模試自体は全てハンドブックの問題から出題されるので、本当に操作に慣れることがメインと思います。

他に追加事項

というわけで長くなりましたが、まとめると自分は
公式ハンドブック1周目:6ヶ月ちょい。
公式ハンドブックの2週目:3ヶ月弱。ここまでは結構ダラダラと勉強して、1日に30分から1時間くらいの勉強時間。
QB MPlusXの2.0半分、3.0 2周、4.0 2周:半年弱 (うち2.0に費やした時間2ヶ月くらい)この半年は仕事以外の時間はほとんど勉強に費やしました。
という形で一発合格できました🥳

当時はとにかく情報がなくて、いろんな問題集やいろんなオンラインの講義サイトに手を出したので、必要以上に時間がかかったと思います。今振り返ると、
ハンドブック1周→MPlusX 3.0 1周→MPlusX 4.0 1周→ハンドブックをもう一度ざっと1周→MPlusX 4.0 2周
がmaxの勉強かなと、個人的には思います。ですが、正直普通の選択肢の試験なので、医学部の試験や国家試験を受験する中でご自身にあった勉強方法があると思いますので、自分を信じて勉強すれば太刀打ちできる試験だと思います。

さて以前AMC MCQの講師をしていた時に生徒から「公式ハンドブックは2009年から更新されておらずとても古いけど、やったほうがいいのか」とよく聞かれました。古くてもやった方が良い、というのが私の答えです。ハンドブックで取り上げられている問題は、どれもオーストラリアの医学部のカリキュラムで大切とされている事項です(これはAMCの講師をしたり、現在働いてオーストラリアの医学生と話したりする中で気づきました)。確かに古いものなので、ものによっては治療法や選択する検査のフローが今と異なる点もありますが、そのようなところは自力で調べながら、それでもハンドブックを一通り解くのは大切だと思います。

また、QBについては7個くらいのQBがどれも同じような評判だった2020年からこの数年で色々変わり、現在は MPlusX QBankAMEDEXがメインの二つになっています!私が使用していた当時は’ Best QBank for AMC MCQ’なんて謳い文句は付いていなかったのですが、最近は評判が良いのか結構自信を持って載せているようです😂MPlusXはわからないところをチャットで質問できるのが、個人的には好きでした。AMEDEXは使用したことがないので良くわかりませんが、使用者からの評判は悪くないです。

以上、私のAMC MCQの勉強方法を詳しく紹介しました!繰り返しにはなりますが、結局は古き良き選択肢式の試験なのでご自身に合った勉強方法で勉強されるのが一番良いとは思いますが、参考書やQBなど参考になれば幸甚です 🙂

📣
facebookコミュニティ

オーストラリアへの留学を目指す医師・医学生を対象としたFacebookグループでは、就職や学生留学に関するタイムセンシティブな情報が得られる他、不安なことや不明点を質問することができます。参加は無料です!
参加申請は右のボタンからお願いします。