オーストラリアで大学院に入学するには?応募要件編

今回はオーストラリアの大学院(Research)の応募要件について、僕の経験をもとにお話ししたいと思います。おそらくほとんどの大学に共通する基本的な要件についてお話しして、加えて僕自身が悩んだことについてお話しします。

基本的な要件+明記されていない非常に重要なポイント

基本的な要件はThe University of MelbourneのDoctor of Philosophy – Medicine, Dentistry and Health Sciencesを参考にすると以下のようなものになります。(https://study.unimelb.edu.au/find/courses/graduate/doctor-of-philosophy-medicine-dentistry-and-health-sciences/entry-requirements/

  • 課程を始めるために必要な経歴(以下)を証明する書類(成績表やCVなど)

    • 1年間のフルタイム学習の少なくとも25%に相当する実質的な研究要素を含む関連分野の4年制学士号を取得し、80%以上または同等の成績を修めていること。または

    • 関連分野の修士号で、フルタイムで1年間勉強したうちの少なくとも25%に相当する実質的な研究要素を含み、80%以上またはそれと同等の成績を修めた者。または

    • 同等とみなされる資格や専門的な経験を有すること。

上記に加えて

  • 研究計画書

  • 推薦状

  • 指導教官候補の推薦

  • 英語試験の結果

これは一例ですが、他の大学の要件を見ても同様の書類が必要になるようです。(ご自身の検討されている大学の要件をご確認ください)

そして、ここに明記されていない重要なポイントは「奨学金」です。
僕は上記書類を揃えて指導教官の承諾も得て応募も完了した後に、
「あなたは〇〇ドルカバーできる奨学金を持っていますか?持っていない場合課程を開始できません」と言われ、衝撃を受けました。
もちろん奨学金の応募をしており、最悪自費でもいいから留学したいと考えていたところ、奨学金などの経済的な後ろ盾を証明する必要があったのです。この点は明記されておらず、もしかしたらメルボルン大学だけかもしれませんので、確認しておいた方が良いと思います。

研究課程を始めるために必要な経歴について

上記のように、実質的な研究要素を含む関連分野の4年制学士号または修士号、それと同等の学位や経験が必要です。

学士号から博士号にそのまま行けるの?って思った方もいるかもしれませんが、これは日本にないHonoursという学位を前提とした要件です。
(Honoursとは学士号で優秀な成績(90%)を修めた学生だけが進むことのできる1年間の研究課程で、これを修了すると直接博士課程に進むことができます)そのため、日本の学士号があってもすぐ博士号を始められるわけではありません。
また、医学部などの6年制の大学を卒業した人は修士号相当ですので、関連領域であれば基本的には必要な経歴を満たすと思われます。(これも要確認です)

研究計画書、推薦状、指導教官の推薦について

研究計画書は研究テーマを指導教官と話し合いながら作成しました。これは大学によって必要な分量が異なり、たとえばメルボルン大学は100 wordsの計画書だけでよいのですが、A4 2枚ほど描く必要があるところもあるみたいです。
推薦状はメルボルン大学の場合は、推薦者の先生に書いてもらうのではなく、推薦者の連絡先を大学に応募時に伝え、大学からその方々に直接連絡がいくシステムになっています。
指導教官の推薦は、僕の場合は連絡を取っていた指導教官に一筆「この人を学生として採用する意向があります」と書いてもらいました。

英語要件について

これも大学・学部によって基準が違うので適宜ご確認いただくと良いと思います。
参考までにDoctor of Philosophy – Medicine, Dentistry and Health Sciencesは以下のスコアが必要です。

IELTS (Academic): 7.0 overall, with written 7.0 and no band less than 6.0
TOEFL Internet-based test: 94+ (Writing 27; Speaking 18; Reading 13; Listening 13)

詳しくはhttps://study.unimelb.edu.au/how-to-apply/english-language-requirements/graduate-english-language-requirements/course-specific-requirements

明記されていない要件「奨学金」について

先ほどお話しした通り、応募してから言われた要件として「奨学金」があります。正確には、研究室が学費をカバーできない場合は一定金額以上の奨学金が必要ということでした。僕が言われた金額はAU$113,400(=今の日本円でおよそ1000万円)以上で、この金額を満たす日本の奨学金はほとんどありません。しかも、オーストラリアは物価の上昇とともに学費も上がっているので、この金額も上がっているかもしれません。
最悪自費留学で行きたいとも思っていたのですがそれは許可されておらず、その理由はおそらく途中で学費を払えなくなって辞められても困るということなのでしょう。
そのため、この難関を突破するためには

  • 大学からの奨学金をゲットする(高いGPAと研究業績が重要)

  • 日本の1000万円レベルの奨学金をゲットする

  • とりあえず、修士課程(Research)から始める

の主に三つの選択肢があるかと思います。上二つはすごく競争率が高いです。また、いつかお話ししようと思っていますが僕はとりあえず修士課程として入学し、試行錯誤して半年後くらいに博士課程に切り替えました。

せっかく指導教官とも半年近くやりとりして応募したのに、急にこんなことを言われてもと愕然した記憶があります。なので、前もって志望している大学の学部の担当者に聞いておくことをお勧めします。

ただ、コースワークで修士課程を受けている方は自費で来ている方も多いので、リサーチとコースワークでは異なるようでこの点も確認が必要です。

 

今回はオーストラリアの大学院に入学するための入学要件についてお話ししました。僕が特に衝撃的だったのはやはり奨学金が必要という事実でした。金額は高すぎるし、競争率高いし、大学院入学最大のハードルだったので今後オーストラリアで博士課程やりたいとか考えている方は同じ躓きをしてほしくないので、要確認です!