オーストラリアで大学院に入学するには?研究室の探し方編

今回は「研究室の探し方」にフォーカスしたいと思います!「自分の興味は〇〇だけど、その興味に合う研究をしているところの見つけ方がわからない」「ある程度有名な研究室は知っているけど完全に網羅できているかはわからない」そういった方に向けて、僕が行った探し方を元にアドバイスできればと思っています。

今回の記事は特別オーストラリアに限ったものではないですし、オーストラリアで研究を考えている人の多くは他の国も選択肢に入れていると思いますので、他の国の研究室を探す時にも役に立つと思います。実は自分が興味のある研究を行っている機関を完璧に把握することがかなり難しいので、いくつかの検索エンジンを利用した方法をご紹介します。

まずはGoogle, Google Scholar

これは皆さんも思いついている方法だと思いますが、まずはGoogleなどの検索エンジンに「”興味のあるテーマ” research ”希望があれば国名”」というように調べてみると良いでしょう。そうすると世界や特定の国の代表的な研究機関や研究者が出てくると思います。

また、Google scholarなどの論文検索エンジンを使って、”興味のあるテーマ”を調べると、そのテーマに関する論文が出てきてその筆者がどこで研究をしているのかを調べることができます。Google Scholarの難点は並べ替えが日付順か関連度順でしかできないため、なかなか最近のインパクトのある論文を調べることが難しいです。方法としては検索ワードを増やすか、左にある発行年数を「2018-」というように最近の論文に絞るかだと思います。また、Google scholarが提示する論文の順番はジャーナルの質(Impact factor)もランダムなので、提示された論文のImpact factorをGoogleで「”ジャーナル名” Impact factor」調べてその領域でどのくらいインパクトを持ったジャーナルなのかをおさえておくことも必要です。(ただImpact factorが低いからといって質の低い研究というわけでは全くないのであくまで参考程度で)

Google Scholar以外にも、ScopusやWeb of Science、EBSCOなどの他の検索エンジンを利用して同様のことが可能です。研究領域によって利用する検索エンジンは違いますので、ご自身に合った検索エンジンを利用しましょう。

Web of Science: 僕が好んで利用していた検索エンジン

僕はWeb of Scienceという検索エンジンを利用して、大まかに有名な研究室を探していました。ただ、このサービスは契約している機関じゃないと利用できないので大学等に現在所属している方限定になります。

まずは所属機関のネットワークから以下のサイトにアクセスします。
https://www.webofscience.com/wos/woscc/basic-search

そして、1と同様に”興味のあるテーマ”を検索ボックスに入れ、検索します。

このWeb of Scienceの強みは高度な絞り込み機能にあります。あらわれた検索結果の左に「検索結果の絞り込み」という欄があり、ここでさらに絞り込んでいきます。出版年:「2018-」と絞って近年の論文を検索したり、「ホットペーパー」や「高被引用文献」をクリックしてインパクトのある論文を絞ったりできます。そして、「著者所属(機関)」で絞ることもできるのですが、その機関の一覧を見ることでどこでその研究が最近行われているのかを知ることができます(ここが僕の最大の便利ポイントです)。また、「国/地域」「筆者名」からもどこの国で盛んなのか、有名な研究者は誰なのかを見ることができます。

※もし、興味ある研究テーマについての一番大きな国際会議の名前を知っている場合はその会議で発表している人の所属機関を見るという手もあるでしょう。これもWeb of scienceで会議を絞って調べることができます。

AIにきいてみるのもあり??Chat GPTを利用した方法

僕が探していた頃にはもちろん使用していなかったですが、最近(2023年1月現在)流行りの自然言語処理モデルのAIを用いた方法で有名な研究者や研究機関を探してみるのもありだと思います。

様々な自然言語処理モデルに基づくサービスが登場しているので、代表的なChat GPTを用いた方法をご紹介します。

方法は簡単、Chat GPTにアクセスして、「Who are famous researchers/research institutes about (興味のある研究テーマ) in (Country name)?」と聞くだけです。

そうすると
「There are many researchers who are studying (興味のある研究テーマ) in (Country) and have made significant contributions to our understanding of the disorder. Some well-known researchers in this field include: …」
というように教えてくれます。いくつかの例を出してくれますのでもっと知りたい場合は「Can you show me more examples?」というように聞けばもっと教えてくれます。

注意点は必ずしも提示された研究者が有名とは限らないことです(笑)教えてくれる内容は保証されたものではないですし、本をよく書いていて有名だけど必ずしも積極的に研究をしていない人とかも出てきちゃう可能性があります。提示されたものをしっかり調べてみる必要があるのであくまで参考程度利用方法が良いと思います。

さて、今回は検索エンジンや最新のAIを用いた研究室探しについてまとめてみました。研究室探しにおいては「小さい研究室のほうが教育的でいいのか、それとも大きい有名な研究室の方がいいのか」「研究室の構成メンバーや学生数も大事」などといろいろなファクターを総合的に判断することが最終的に大事ですが、何よりも最低限大事なのは「自分の興味のあるテーマをアクティブに研究している」ところを探すことでしょう。

この記事の方法を参考に自分のベストな研究室が見つかることを願っています。また、リーダーの皆さんのおすすめの方法がありましたらぜひ教えてください!